憧れの大手ゲーム会社の求人情報が必ず出ると信じて待った実務経験2年のデザイナー奇跡の物語

仕事

私はゲームが大好きな人間だった。

学生時代はゲームを販売しているお店でアルバイトをして、アルバイト代と人生の時間のほとんどをゲームに投資していた。

美術大学受験失敗から専門学校へ飛び込み、バイトとゲーム三昧のフリーター生活が最高に楽しかった話
という、なんだか自分の意志でそうしたかのようなそれっぽいタイトルにしてみたが、実態は全然違う。簡単にいうと美術大学受験に失敗したからやむを得ず専門学校に飛び込んだ。当方、特に生活には不自由なく育ててもらえたのだが、浪人してまで大学に行かせて...

いろんなゲームがある中で大好きなゲームがあった。

そのゲームを作っている会社は誰もが知ってる有名な会社。そんな会社で働けたらいいなぁなんて憧れがあったけど、そんなことは夢もまた夢、テレビに出ている芸能人に憧れるくらいのレベルの憧れ。

まさか、自分がその会社で働くことになるなんて夢にも思わなかった。

学生時代の親友だったTに誘われて働いたデザイン事務所を2年で辞めて再びフラフラした生活を送っていたある日、幼き頃の憧れが猛烈に蘇ってきた。

デザイナーとしての社会人デビューと恋愛と
ある日、ダラダラとフリーター生活を続ける私に1本の電話が。専門学校時代から仲の良い友達Tからの電話だった。「俺が働いているデザイン事務所に来ないか?」人手が足りなかったのか、フリーターでいつまでもダラダラしている私への救済だったのかわからな...

あのゲーム会社にアルバイトでもいいから潜り込むことができないか?
この2年のデザイナー実務経験を武器にして潜り込むことはできないか?
なんでもいいから潜り込むことができればあとはその会社でがむしゃらに頑張れば何者かになれるんじゃないか?

きっと、あの時はフラフラしすぎて頭がおかしかったのだと思う。
そんな都合のよい求人募集があるはずもないのにそんな自分プロジェクトを立ち上げたのだった。

いろんなアルバイトやデザイン事務所を転々としながら、求人雑誌(当時はまだまだ雑誌全盛期)を毎日コンビニで立ち読みしてあの憧れの会社の求人情報を血眼になって探した。

もちろん、そんな求人があるはずもなく、月日は無情に過ぎていく。
それでもきっと求人が出るという根拠のない自信があった。

心配する親の手前、その求人だけを追いかけるわけにもいかず、そのほかの会社の面接も受けたりはしていた。

記憶は定かではないが、憧れのあのゲーム会社に入社しようプロジェクトを立ち上げて1年ほど経っていた。

やっぱり求人はない。

誰もが知っている有名な会社だから求人なんて出さなくとも人がたくさん来るんだろうか。

こんな自分でもおいでといってくれる会社2社から内定までもらってしまい、このプロジェクトも潮時かと思ったその時、奇跡が起こった。

アルバイト募集の求人が出た!ほんとに出た!まじかっ!

求める人材は宣伝部のアシスタント。
どんな募集要項が記されていたかはよく覚えていないのだが、宣伝部であればビジュアル的な?クリエイティブ的な?デザイン的な?そんな感じのスキルも多少なりとも使える職種なんじゃないのではなかろうかとどんどん自分に都合の良い解釈をする私。

お得意の根拠のない自信は正しかった。自分でも引くくらい痺れた瞬間だった。

時は満ちたり。
計画を実行する。

誰もが知っている業界トップの大手ゲーム会社の求人。

新卒に毛が生えた程度のデザイナーである私。

たった2年のデザイン実務経験をどのようにして武器にしたのか、そして、果たして合格を勝ち取り入社できるのだろうか?

つづく

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